オーダースーツ研究所とは
Regalis Japan Groupが運営する「オーダースーツ研究所」は、スーツの基礎知識から歴史、近代オーダースーツのトレンド、設計・デザイン、ブランド同士のコラボレーション思考までを調査する専門機関です。
我々リサーチャーは、さまざまな生地メーカーや作り手のこだわり、技術を探求し、その成果を無料のレポートおよびコラムとして発信しています。本研究所の目的は、読者の皆様がご自身のワードローブを判断し、自信を持って「本物」を選び取るための、事実に基づいた客観的な情報を提供することにあります。
1. 【結論】専門用語を知ることは「選択の自由」を得ること
オーダースーツの専門用語を理解することで、フィッターとの対話が深まり、あなたの理想をより正確に伝えることが可能になります。
知識は単なる情報の蓄積ではなく、最高の一着を作り上げるための「共通言語」です。用語の意味を知ることで、なぜその仕様が自分に必要なのかを論理的に判断できるようになり、結果として妥協のない「資産」としてのスーツを手にすることができます。
2. 【ジャケット編】デザインと品格を決める重要用語
ジャケットはスーツの顔であり、最も多くの専門用語が登場する部位です。

ラペル(襟)とボタンの仕様
| 用語 | 特徴・説明 | | :— | :— | | ノッチドラペル | V字に切り込んだ標準的な襟。ビジネスシーンに最も適した汎用性の高い形。 | | ピークドラペル | 剣のように尖った襟。ダブルジャケットやフォーマルな場でエレガントさを演出。 | | 本切羽(ほんきりば) | 袖口のボタンホールが実際に開閉できる仕様。高級注文服の象徴的なディテール。 | | 飾り切羽 | 袖ボタンが装飾のみで、開閉できない仕様。既製品に多く見られる。 |
ベンツ(背中の切り込み)
※ベンツはスラックスではなく、ジャケットの裾にある切り込みを指します。
| 用語 | 特徴・説明 |
|---|---|
| センターベンツ | 中央に1本の切り込み。乗馬服が起源で、スポーティーで軽快な印象。 |
| サイドベンツ | 両脇に2本の切り込み。威厳があり、ポケットに手を入れた際もシルエットが崩れにくい。 |
| ノーベント | 切り込みがない仕様。タキシードなど、最もフォーマルでドレッシーな装い。 |
3. 【スラックス編】機能性とシルエットを左右する用語
足元の印象を決定づけるスラックスの仕様も、着心地に大きく関わります。

プリーツ(折り込み)と裾の処理
| 用語 | 特徴・説明 | | :— | :— | | ノープリーツ | 腰回りに折り込みがない仕様。スリムでモダンな印象を与える。 | | ワンブリーツ | 左右に1本ずつ折り込みがある。適度なゆとりとクラシックな品格を両立。 | | 裾:シングル | 折り返しがない仕様。冠婚葬祭などのフォーマルからビジネスまで対応。 | | 裾:ダブル | 裾を折り返した仕様。足元にボリュームが出て、クラシックな装いに最適。 |
4. 【生地・素材編】品質と資産価値を決める「スーパー番手」
生地のラベルに記された「Super 100’s」などの数字は、繊維の細さ(原毛の直径)を示しています。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| Super 100’s | ビジネスでの実用性と光沢感のバランスが取れた、最も標準的な指標。 |
| Super 120’s | 滑らかな肌触りと美しい光沢が特徴。Regalisでも推奨される上質なライン。 |
| Super 150’s以上 | 極細の原毛を使用。シルクのような光沢を持つが、繊細なため特別な日の装い向け。 |
5. 【まとめ】用語を知ることで「深い対話」が生まれる
専門用語を理解することは、フィッターを「業者」ではなく「共創のパートナー」に変えるプロセスです。自身の「こだわり」を正確に言語化できるようになれば、出来上がったスーツへの愛着もより深いものとなるでしょう。
Regalis Japan Groupでは、お客様が用語を完全に把握していなくても、対話を通じて最適な仕様を導き出します。しかし、少しの知識があるだけで、オーダーの時間はより知的で贅沢なひとときへと変わるはずです。
よくある質問(FAQ)
Q. 本切羽にすると、どのようなメリットがありますか? A. 実際にボタンを開けて袖を捲ることができるため、機能的であると同時に、オーダーメイドならではの「こだわり」を周囲に静かに示すことができます。
Q. サイドベンツとセンターベンツ、どちらを選べば良いですか? A. 一般的に、体格が良い方や威厳を出したい方にはサイドベンツ、スッキリと軽快に見せたい方にはセンターベンツが推奨されます。
Q. 初めてのオーダーで「Super番手」は何がお勧めですか? A. 日常的なビジネス利用であれば、耐久性と美しさを兼ね備えた「Super 110’s 〜 120’s」が、最も資産価値の高い選択となります。